村林孝夫が、第52回 吉川英治文化賞を受賞いたしました!

受賞にあたり、大変光栄な事だと思い感謝いたします。
複製物であるデジタル再生ではなく、化学変化により修復された黒白写真に光を当てて頂けた事を大変ありがたく思います。
写真を化学的に修復する研究は、20世紀に世界のフィルムメーカーも行ってきましたが結果を残せませんでした。写真家の父の遺言を胸に、学生時代の学びを紐解き、約10年の歳月を研究に費やしたのち、2002年にそれを開発しました。
写真業界の常識を覆す革新的な技術であった為か、評価される事なく、写真を修復する必要性は葬り去られそうになりました。
それでも地道に真面目に作業を進めた結果少しずつ世間の認識も変わり、企業、大学などの評判も高まり、消えかけたオリジナル画像を蘇らせ喜ばれるようになりました。
この度、この賞をいただけた事でより多くの人に技術を知って貰え、社会や文化の為に貢献できることと考えます。
これは私個人への賞ではなく、写真文化の為に頂けた賞だと考えます。
放っておけば消えてしまう運命の写真を文化遺産として伝えて行く為にも、この技術を知っていただき、世界中の失われて行く写真を蘇らせ救っていきたいと考えます。
光栄ある賞をいただけた事は、励みと共に今後の活動に大きな力を与えて貰えたようで喜びに溢れています。
ありがとうございました。

村林孝夫